備忘録

備忘録。日々の思いをつらつらと。

夢を見た話

私には好きな人がいた。

色々な事情があり1年半ほど連絡と取っていないし、取る予定もない人だ。

その人は人生の谷間で出会い、私の私自身に対する価値観を変えてくれた、私の人生において凄く大切な人。

その人にとっても、私がそんな存在なら良いのにと願わずにはいられない。

好きだった。この1年半(下手をしたら2年くらい)ずっと片思いをしていた。

恋人になりたかったし、兄弟にも親子にも、友達にもなりたかった。

この世に存在する「愛情」の全てを集めて固めたような愛だった。

初めて会った時から、不思議な人だった。

今まで生きてきた場所も環境も全く違うのに、話すと自然と盛り上がって話題が尽きなくて、今まで感じたことのないくらい優しい気持ちになれた。

その人のどんな事だって肯定して受け入れられた。

その人も私の事を受け入れてくれてたように思う。

こんな、共通点も何もない私を好いて好意を向けてくれた。

それがどれほど救いになったことか。

家族や友達や会社の仲間に恵まれていたのに、ずっと払拭できなかった孤独感や不安感を消してくれた人。

回りにどんなに好かれたって、学校が同じだから、同性だから、親だから、孫だから、親戚だから、周りの人が優しいから…と傷付かないように理由をつけて「自分なんか他人に好かれる訳がない」と思い込んでいた私に、「私は私のままでも人に好かれるんだ」って思わせてさせてくれた人。

お陰で今では、私は私だから友達にも家族にも好かれてるんだって素直に思える。

あのずっと苛まれていた不安感や孤独感もなくなって、凄く生きやすい。

それもこれも全部その人のお陰。

 

でも、この片思いはもう終わりにしないと。

この前、「お誕生日おめでとう」のメッセージを送った。

だけど返事は来なかったし、既読も付かなかった。

きっとそういう事なんだろう。

2年前は確かに繋がっていて、でも今は繋がっていなくて、それはその人にとって私は不要になったという事なんだろう。

悲しい。寂しい。けど、仕方ない。

あの時、私たちは確かにお互いに好意を抱いていて、でも私もその人もその時はまだ未熟で、一緒に居続けるタイミングではなかった。離れるしかなかった。

もっと出会うのが遅ければ…と思うこともあるけど、あの日あの時だったから出会えたのであって、あの日でなければ後にも先にもその人には出会うことはなかっただろう。

その人と連絡を取り合っていたのは8か月という短い期間だったが、私の人生観を変える掛け替えのない宝物の様な日々だった。

片思いを終わらせてしまうのは、その人との繋がりを全て絶ってしまう気がして離れ難いけれど、いつまでもこうしている訳にもいかないから。

この記事を書いて、この愛しく離れがたい片思いを終わりにしようと思う。

 

余談だが、昨日の夜、その人と連絡を取り久々に会うことになった夢を見て、夢の私をもの凄く羨んでしまった。

声もしゃべり方も久しく聞いていなかったのにその人そのもので、嬉しくて、でもそれと同時に夢を見ながら「良い夢だなぁ」と思っている私がいて。

これが現実にならないことを私自身が知っていることに気が付いて、この片思いを終わらせようと決めた…という話。

 

あーーー。凄く好きだった。ずっと一緒にいたかった。

この記事を書きながら色々思い出して好きって気持ちで泣いてしまうくらい、好きだった。

少し低い声が好きだった。仕事を一生懸命してる姿が好きだった。私の味の好みを聞いてくれるところが好きだった。適当に注文しても私が好きだって言ったカクテルを覚えててそれを出してくれるところが好きだった。気遣ってくれるところが好きだった。不器用な生き方をしてるところが好きだった。寂しいくせに寂しいって言わないところが好きだった。愛してほしいくせに愛してほしいって言わないところが好きだった。聞き取れなかったことを「ん?」って少し笑んで耳をこちらに寄せてくれるところが好きだった。愛しいものを見るような甘く蕩けるような笑みが好きだった。優しいところが好きだった。

全部、全部好きだった。

私にとっての唯一だったし、その人の唯一も絶対に私だった。

 

 

ああ。好きだったなぁ。